青空文庫

「白い魔の手」の感想

白い魔の手

しろいまのて

初出:「プロレタリア詩」1931(昭和6)年9月号

長沢2

書き出し

七月——焼けただれた太陽が地を射す幽明の地をめざして行進する華やかな一群臨時列車は、——海へ——山へ……………………誰だッ?汗を吝しむ奴等は?土堤の上にはわんわんと燃えるかげろう、じりじりと焼きつける田の底頭上には、太陽がありったけの元気で踊ってる。紺碧の空に浮ぶ一点の雲みどりの田の面をなでてゆく微風すがすがしい夏の気分へおお、それさえも一瞬の間あとに残るは……汗と疲労と空腹の俺達だ!土堤の木影に

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