青空文庫

「赤いねこ」の感想

赤いねこ

あかいねこ

初出:「金の船」キンノツノ社、1922(大正11)年2月

書き出し

雨がしとしととふりました。そのあくる日のおひるころ、一人のおぢいさんが、町のつじに立ててある大きなかんばんを見ながら、ひとりごとをいってゐました。「このゑは、何のゑだらう、火事のゑかしら。」おぢいさんは、しきりにかんがへこんでゐました。そこへ一人の男の子がとほりかかって、「おぢいさん、何をかんがへてゐるんですか。」と、たづねました。おぢいさんは、「このゑは、火事のゑなんだらうか。どこかにせうばうの

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