青空文庫

「洪水のように」の感想

洪水のように

こうずいのように

初出:「近代思想」1913(大正2)年12月号

書き出し

ふいご、初めの日は面白くてたまらぬ、ぶうぶうと、少年の細腕にありたけの力をしぼって、押したり引いたりした。二日、三日、長い時間のはたらきの疲れ、私はめちゃくちゃにねむくてたまらず、われ知らずいねむりをした。束の間の少年の夢、恋人の女の子と遊ぼうとすれば、コツン!拳骨のひどい痛さに、びっくりして目がさめた。子供心にくやしく、なさけなく、且つやるせなく、しぶい目から熱い涙がこぼれた。いま思っても憎らし

1 / 0