青空文庫

「青銅の基督」の感想

青銅の基督

せいどうのキリスト

――一名南蛮鋳物師の死

――いちめいなんばんいものしのし

長与善郎169

書き出し

一父秀忠と祖父家康の素志を継いで、一つにはまだ徳川の天下が織田や豊臣のやうに栄枯盛衰の例に洩れず、一時的で、三代目あたりからそろ/\くづれ出すのではないかと云ふ諸侯の肝を冷やす為めに、又自分自らも内心実はその危険を少からず感じてゐた処から、さし当り切支丹を槍玉に挙げて、凡そ残虐の限りを尽した家光が死んで家綱が四代将軍となつてゐた頃の事である。実際、無抵抗な切支丹は、所謂柔剛その宜しきを得て、齢に似

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