あめのやど
書き出し
久し振りで京都の秋を観ようと、十月十五日の朝東京駅を発つ時、偶然会った山内義雄さんから、お宿はと聞かれて、実は志す家はあるが通知もしてないことをいうと、それでは万一の場合にと、名刺に書き添えた紹介を下すったが、それは鴨川に近い三本木という、かねて私もひそかに見当をつけたことのある静かな佳い場所であった。然し実際私の落ちついたのは、中京も淋しい位静かな町筋の、暗く奥深い呉服屋や、古い扇屋、袋物みせ、…
19双之川喜41さんの感想
京都の町屋に 紛れ込んだような宿は 日常と 非日常の 接点に 佇むようでもあり 尚更 興趣を 覚える。 加えて雨は 日常のわだかまりを 抑え込み 心を洗うようでもある。