青空文庫

「打出の小槌」の感想

打出の小槌

うちでのこづち

外村11

書き出し

打出の小槌外村繁——私の三男は家中の愛嬌者である。渾名は「たゆ」又は「安福」と言ふ。「たゆ」と言ふのは、彼の申年の「さる」が言へないので、「たゆ」。「安福」と言ふのは、私の郷里の村に安福寺という禅寺があり、ある夏、私達が帰省してゐた時、真宗である私の家とは日頃何の附合もない、その安福寺へ「たゆ」は単身遊びに行き、その上、両手に一杯お菓子を貰つて帰つて来たことがあつた。丁度その時やはり帰省してゐた私

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