ほうめいごぶさく
05 憑き物
05 つきもの
書き出し
一お鳥は、兄のところを拔けて來る場合が見付かり難かつたとて、四日目にやつて來た。そして直ぐ入院した。持つて來た行李までも運び込まうとしたので、義雄は、「荷物までも入院させるには及ぶまい」と云ふと、「お前は信用でけんから、ね。」頸をつき出し、目を細く延ばした。「もう、質屋へは入れないよ。」「分るもんか。」「けちな奴だ」とは云つて見たが、義雄はかの女の始末なのを一年以上も利用してゐたのを思ひ出す。思ひ…