青空文庫

「検疫と荷物検査」の感想

検疫と荷物検査

けんえきとにもつけんさ

書き出し

午後三時十五分にゴールデンゲートを過ぎてから、今迄にもう何時間経つたと思ふぞ。先づ検疫船が来て検疫医が乗り込む。一等船客一同大食堂に呼び集められて、事務長が変な所にアクセントをつけて船客の名を読み上げる。読み上げられた者は、一人々々検疫医の列んだ段階子の下を通つて上へ出て行く。『ミストル・アサヤーマ』。「ヤ」で調子を上げて少し引ツ張つて「マ」で下げる。成程山のやうに聞《きこ

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