青空文庫

「金山揷話」の感想

金山揷話

きんざんそうわ

初出:「中央公論」1939(昭和14)年4月

大鹿27

書き出し

稚内ゆきの急行列車が倶知安をすぎ、やがて山地へかかって速力がにぶると、急に雪が降りだした。粒が細かくて堅く結晶した雪だということは、車窓にふきつけるサッサッササ……という音でわかった。線路近くのエゾ松林に、防雪林などと書いた棒杭が見出された。その林の青黒い枝々はすでにかなりの雪を積らせていて、飛白の布地のように目を掠めてゆく。いうまでもなく、雪が急に降りだしたわけではなくて、汽車が降雪地帯へ入った

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