青空文庫

「信濃国」の感想

信濃国

しなののくに

明治三十二年

めいじさんじゅうにねん

初出:「信濃教育会雑誌  第一五三号」1899(明治32)年6月号

浅井1

書き出し

信濃の國は十州に境つらぬる國にして山は聳えて峯高く川は流れて末遠し松本伊那佐久善光寺四つの平は肥沃の地海こそなけれ物さはに萬たらわぬことそなき四方に聳ゆる山々は御岳乘鞍駒か岳淺間は殊に活火山いつれも國の鎭めなり流れ淀ます行く水は北に犀川千曲川南に木曽川天龍川これまた國の固めなり木曽の谷には眞木茂り諏訪の湖には魚多し民のかせぎは紙麻綿五穀みのらむ里やあるしかのみならす桑取て蠶養の業の打ひらけ細きよす

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