青空文庫

「明治卅三年十月十五日記事」の感想

明治卅三年十月十五日記事

めいじさんじゅうさんねんじゅうがつじゅうごにちきじ

初出:「ホトトギス 第四巻第二号」1900(明治33)年11月20日

正岡子規28

書き出し

余が病体の衰へは一年一年とやうやうにはなはだしくこの頃は睡眠の時間と睡眠ならざる時間との区別さへ明瞭に判じ難きほどなり。睡さめて見れば眼明かにして寝覚の感じなく、眼を塞ぎて静かに臥せばうつらうつらとして妄想はそのままに夢となる。されば朝五時六時頃に眼さむるを常とすれど朝の疲労せる時間を起きて頭脳を使はんは少しにても静かにあらんに如かずと、七時八時頃までうつらうつらとして夢と妄想の間に臥し居るなり。

2016/10/03

ジローさんの感想

子規の亡くなる1、2年前の平凡な日常が客観的に描写されています。この頃は立つことも出来なくなっていて病床で過ごしていますが、自分の運を嘆くこともなく、ただ淡々と赤裸々なまでに一日を綴っています。その姿勢は写実を重視した子規の俳句観に通じるのでしょう。また衰弱した体とは裏腹に彼の健啖ぶりには驚きます。それは生への執着なのか?

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