青空文庫

「芥川比呂志」の感想

芥川比呂志

あくたがわひろし

初出:「アトリエ 十月號」1952(昭和27)年10月

書き出し

芥川比呂志加藤道夫はやいもので、芥川比呂志との交友もそろそろ十五年になる。初めて逢つたのは慶應の豫科の頃だつたが、その頃彼は蒼白い顏をして詩を書いてゐた。中々いい詩で、今だに頭に殘つてゐるのもある。詩語の選擇が極めて綿密で、ヴィジオンも鮮かだつたし、何か非凡な洗練味があつた。アポリネェルやヴァレリィの詩の飜譯もうまいと思つた。それから間もなく紹介されて逢つた時、ペシミスチックな風貌をした痩身の彼が

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