青空文庫

「大切な雰囲気」の感想

大切な雰囲気

たいせつなふんいき

02 序

02 じょ

書き出し

鬼才小出楢重が逝いてから早くも五年になろうとする。そうして今ここに彼の随筆集『大切な雰囲気』が刊行されることになった。これには『めでたき風景』に漏れた、昭和二年から四年へかけての二三篇「国産玩具の自動車」「挿絵の雑談」「二科会随想」等も含まれはするが、其大部分は其最も晩年なる五年中に書かれたものである。体質の弱い彼は一年の間に画作に適する時季を極めて僅かしか持たなかったと毎々言って居たが、随筆には

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