ふろをかうまで
初出:「読売新聞」1924(大正13)年7月28日
書き出し
わたしは入浴が好きで、大正八年の秋以来あさ湯の廃止されたのを悲しんでいる一人である。浅草千束町辺の湯屋では依然として朝湯を焚くという話をきいて、山の手から遠くそれを羨んでいたのであるが、そこも震災後はどうなったか知らない。わたしが多年ゆき馴れた麹町の湯屋の主人は、あさ湯廃止、湯銭値上げなどという問題について、いつも真先に立って運動する一人であるという噂を聞いて、どうも好くない男だとわたしは自分勝手…
鍋焼きうどんさんの感想
当時、都会での内風呂はどれくらい贅沢だったろうか。しかも震災の傷跡が残る東京で。