ばけものやしき
書き出し
私が北豊島郡染井の家に移ったのが、明治三十五年の春であった。何しろ滅法安値い家で、立派な門構に、庭も広し、座敷も七間あって、それで家賃が僅かに月三円五十銭というのだから、当時まだ独身者の自分には、願ったり適ったりだと喜んで、早速その家に転居をすることに定めたのであった。一寸その家の模様を談してみると、先ず通路から、五六階の石段を上ると、昔の冠木門風な表門で、それから右の方の玄関まで行く間が、花崗石…
86cb527f611fさんの感想
一種の異次元屋敷モノの序章といった感じ。これだけでは何も始まらない。作家にとって創作のヒントにはなるだろう。