なのはなものがたり
初出:「新小説 明治四十四年十二月号」春陽堂、1911(明治44)年12月
書き出し
大和めぐりとは畿内では名高い名所廻りなのだ。吉野の花の盛りの頃を人は説くが、私は黄な菜の花が殆んど広い大和国中を彩色する様な、落花後の期を愛するのである、で私が大和めぐりを為たのも丁度この菜の花の頃であった。浄瑠璃に哀情のたっぷりある盲人沢一お里の、夢か浮世かの壺坂寺に詣でて、私はただひとり草鞋の紐のゆるんだのを気にしながら、四月の黄な菜の花匂うほこりの路をスタスタと、疲れてしかし夢みつつ歩いて行…
19双之川喜41さんの感想
桜の季節よりも 菜の花の時期の方が 良いという向きも 結構いるもので 昼間見かけた 花嫁道中の花嫁の目はキツネ目で 夜 見かけた宿の女中は 黒い たぬき顔であったと あまり工夫のない文章が続く。