青空文庫

「因果」の感想

因果

いんが

書き出し

俳優というものは、如何いうものか、こういう談を沢山に持っている、これも或俳優が実見した談だ。今から最早十数年前、その俳優が、地方を巡業して、加賀の金沢市で暫時逗留して、其地で芝居をうっていたことがあった、その時にその俳優が泊っていた宿屋に、その時十九になる娘があったが、何時しかその俳優と娘との間には、浅からぬ関係を生じたのである、ところが俳優も旅の身故、娘と種々名残を惜んで、やがて、己は金沢を出発

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