青空文庫

「茶の本」の感想

茶の本

ちゃのほん

01 はしがき

01 はしがき

書き出し

たやすく郷党に容れられ、広く同胞に理解されるには、兄の性行に狷介味があまりに多かった。画一平板な習俗を懸命に追うてただすら他人の批評に気をかねる常道の人々からは、とかく嶮峻な隘路を好んでたどるものと危ぶまれ、生まれ持った直情径行の気分はまた少なからず誤解の種をまいてついには有司にさえ疑惧の眼を見はらしめるに至った兄は、いまさらのように天地のひろさを思い祖国のために尽くす新しき道に想到したのであった

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