青空文庫

「ひとつのパラソル」の感想

ひとつのパラソル

ひとつのパラソル

初出:「令女界 第四巻第十一号」1925(大正14)年11月1日

田山花袋12

書き出し

一大学生のKが春の休みに帰つてからもう三日になつた。かれは昨年の矢張今頃に母と父とを三日おきに亡くしてゐるので、そのお祭をするのもその帰郷の大きな理由だが、それ以上にかれは常子の眉目に引かれてゐた。Kはせめてその休暇をかの女のゐるところで静かに送らうとしたのである。勿論、二人の間にはまだ何事も出来てゐるのではなかつた。Kの憧憬は其処にも此処にもその常子の面影を見、呼吸を感じ、そのやさしい存在を描く

2022/02/15

19双之川喜41さんの感想

 相次いで両親を亡くした 大学生が  法事のために 帰郷するけど 気がかりなのは  思いを 打ち明けたことも無い  少女のことで はある。 山榊を 取りに行った帰りに  偶然 東京から戻ってきた  派手な蝶の模様の パラソルをさした少女と 行き交う。 詩味の溢れる短文と思う。

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