青空文庫

「犬」の感想

いぬ

初出:「婦人公論 第九年第九号」中央公論社、1924(大正13)年8月1日

田山花袋21

書き出し

「馬鹿に鳴くね。大きな犬らしいね」Bを見送りに来たMが言ふと、すぐ傍の籐椅子に腰をかけてゐたT氏は、「H領事の犬だらう?先生方も今日立つ筈だからね」その犬の悲鳴する声は、甲板の下のハツチのあたりから絶えずきこえて来た。小さな箱の中に入れられて、鉄の棒の間から鼻を出したり口を出したりして、頻りに心細がつて鳴いてゐるのであつた。「Hさん、何処に行くんですか?」Mが訊いた。「赤峰にやられてね」「赤峰——

2019/12/02

b9ef941530ccさんの感想

犬は、シナの蒙古風が吹き荒ぶ中で夫婦が赤峰へ行く話。ドイツ種の犬が乞食の多い町中を守ってくれる。

2019/11/01

19双之川喜41さんの感想

 大がかりな船旅ものは 珍しい。 乗っているあいだは 運命共同体で 下船した途端にばらばらになること それ自体が 劇的だという。 独犬の鳴き声が 効果的だと感じた。

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