青空文庫

「聚楽廻り」の感想

聚楽廻り

じゅらくめぐり

初出:「大阪毎日新聞附録」1927(昭和2)年7月28日

羽田5

書き出し

古は皇城の域内後に豐公の聚樂第ついで所司代配下の新屋敷上京區にありながら下京區に屬す三條通のまん中で京は上京と下京とに分れるなどと思つたら岩井君に笑はれものだ。郵便は上京丸太町千本西入るで立派に配達される我輩の家でも、お上の稱呼は下京區聚樂廻西町八十五番地なのだから。聚樂廻の名は有名な聚樂第にちなんだものらしい。家の西裏半町ばかりは一間餘りの低地畑になつて、南北に帶の如く延びてゐるのだが——いやゐ

1 / 0