青空文庫

「J・D・カーの密室犯罪の研究」の感想

J・D・カーの密室犯罪の研究

ジェイ・ディ・カーのみっしつはんざいのけんきゅう

初出:「月刊探偵」黒白書房、1936(昭和11)年5月号

井上良夫14

書き出し

アメリカの青年作家ジョン・ディクソン・カーは、彼の新しい力作『三つの棺』の中で、特に一章を設け、作中の主要人物フエル博士の講義の体にして、探偵小説に扱われた密室犯罪の様々を分類発表してみせてくれている。読んでいても如何にも小気味よい態度であるが、同作品を貫く眼目が密室犯罪の解決に全然新しい思い付きを見せようと意気込んだもので、作者が若いだけに途中興味が折々緩み勝ちになることはあるが、実際そこで投げ

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