明治哲学界の回顧
めいじてつがくかいのかいこ
01 序論
01 じょろん
初出:「岩波講座哲學 明治哲學界の囘顧」岩波書店、1932(昭和7)年11月
井上哲次郎約15分
書き出し
一わが国には古来、神道だの儒教だの仏教の哲学が行なわれておったのであるけれども、西洋文明の輸入とともに別系統の哲学思想が新たに明治年間に起って来た。すなわちそれは西洋の哲学思想に刺戟せられて、わが国においても種々なる哲学的思索を促してきたのである。その結果、伝統的の東洋思想とはおのずから異った哲学思想の潮流を発生するようになってきた次第である。西洋思想の真先に輸入されたのは宗教思想(すなわちクリス…
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