青空文庫

「清造と沼」の感想

清造と沼

せいぞうとぬま

初出:「赤い鳥」赤い鳥社、1928(昭和3)年1月号

宮島資夫17

書き出し

一清造はその朝になって、やっとにぎやかな町に出ました。それは、清造の生まれた山奥の村を出てから、もう九日目くらいのことでした。それまでにも、小さな町や村は通ったことがありましたが、これほどにぎやかな町に出たのはこれがはじめてです。町の両側には新しい家がならんでいました。そうしてそれらの店には、うまそうなおかしだの、おもちゃのようにきれいなかんづめだの、赤や青のレッテルをはったびんなどが、みがきたて

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