青空文庫

「人間山中貞雄」の感想

人間山中貞雄

にんげんやまなかさだお

初出:「シナリオ 昭和十三年十一月臨時増刊・山中貞雄追悼号」1938(昭和13)年11月

書き出し

平安神宮の広場は暑かつた。紙の旗を一本ずつ持つた我々は脱帽してそこに整列していた。日光は照りつけ汗がワイシャツの下からにきにきと湧いた。前面の小高い拝殿の上には楽隊がいて、必要に応じて奏楽をした。注意して見ると、楽隊のメンバーにはアフレコ・ダビングでかねてなじみの顔ばかりである。それから神官の行事があつた。つづいて君が代の斉唱、バンザイの三唱など型どおり行われたが、その間、出征軍人山中貞雄は不動の

2024/03/16

時間旅行者さんの感想

山中貞雄、という人となりが実に良く理解できる文だ こんなに深く山中について語る事ができるのは、伊丹自身も病で思うように活躍出来なかった事が関連しているのだろう 病や戦争によって、果たせ得ない苦しさ、哀しさ、不甲斐なさ、やるせなさを感じ取っていたはずだ それらの思いがこの文を書かせたように感じられてならない

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