つくばねのほとり
書き出し
一「雲雀の卵を拾らえに行んべや」「うん」「葦剖も巣う懸けたつぺな」「うん」眞ん中に皿を殘したかつぱ頭を、柔かな春風になぶられながら、私達は土手を東へ、小貝川の野地を駈け下りた。櫟は古い葉をすつかり振り落して新芽から延びた緑の葉が頬にうつつてほてるやうである。毛蟲がぶらんこしてゐる。帽子も冠らないのだからそれに打つかると、顏へでも手へでもぢきたかられる。たかるだけで刺しもせず喰ひつきもしない奴はいゝ…