りょくいのおんな
初出:「秘密探偵雑誌」1923(大正12)年7月
書き出し
一夏の夕暮であった。泉原は砂塵に塗れた重い靴を引きずりながら、長いC橋を渡って住馴れた下宿へ歩を運んでいた。テームス川の堤防に沿って一区劃をなしている忘れられたようなデンビ町に彼の下宿がある。泉原は煤けた薄暗い部屋の光景を思出して眉を顰めたが、そこへ帰るより他にゆくところはなかった。半歳近く病褥に就いたり、起きたりしてうつら/\日を送っているうちに、持合せの金は大方消費って了った。遠く外国にいては…
19双之川喜41さんの感想
題意は 主人公の昔の愛人で 女は預金通帳を盗んで 失踪する。 事件の発端は 逃げた愛人を 見かけたところから始まるので この先 どんなふうに 組み立てるか 興味はわくと感じた。