なつとさかな
書き出し
一夏の匂ひのする、夏の光りのある、夏の形体をもつてゐる魚——といつたら、すぐ鮎だ、鱚だ、鯛と鱸だ。夏ほど魚が魚らしく、清奇で、輝いて溌剌としてゐる時はない。青い魚籠に蓼を添へる、笹を置く、葭を敷く、それで一幅の水墨画になる。夏になるとその生活の半分を魚釣りで暮す故か、私にとつて夏ほど魚を愛し、魚に親しむ時はない。極端にいふと暑い夏百日は魚になつて暮らしたいほどである。夏は気層が暑いと水温が低く涼し…
19双之川喜41さんの感想
佐藤は 未明の霧の中の渓流のほとりを行くと 鮎は川の中から 匂い立つと言い切る。 本当だとは思うけど 色々と良い条件が重ならないと そうはうまくいかないのではなかろうかと感じた。