うおびじん
書き出し
もう一般に釣技といふ言葉が通じるなら、やがて釣道といふ言葉もあつてよい訳で、殊にその釣道の真諦、——と訊ねられると、実技の奥義は暫く措いて、何が人をさういふ風に引つけるか、夢中にするかといふと、どうも釣人の落ちゆくところは、あの得も云はれぬ感覚の反応にあるやうに思ふ。つまり魚のアタリ、魚力と争ふ感応、又は魚をぐつとやる把握的な触覚にあるやうに思へる。それを先づ基調とする。中枢とする。或は醍醐味と云…