青空文庫

「神経」の感想

神経

しんけい

初出:「文明 春季号」1946(昭和21)年4月

書き出し

一今年の正月、私は一歩も外へ出なかった。訪ねて来る人もない。ラジオを掛けっ放しにしたまま、浮浪者の小説を書きながら三※日を過した。土蜘蛛のようにカサカサの皮膚をした浮浪者を書きながら、現実に正月の浮浪者を見るのはたまらなかった。浮浪者だけではない。外へ出れば到る所でいやでも眼にはいる悲しい世相を、せめて三※日は見たくなかった。が、ラジオのレヴュ放送を聴いていると、浮浪者や焼跡や闇市場を見るよりも一

2023/01/02

鍋焼きうどんさんの感想

大阪の終戦直後の風景とそこに生きる大阪人の逞しさが伝わってくる。と同時に淡い夢を見ながら不遇の死を遂げた娘や娼妓への眼差しにしんみりさせられる。

2019/10/24

19双之川喜41さんの感想

 織田作は  三が日の間 一歩も外出しなかったと言う。 そして  紋切り型を  突き抜けようと  怪気炎を上げてみせる。 そうは言っても 女遊びを 極め尽くした 老人の  述懐 によれば「 相手を変えても 結局同じ 10年 1日 変わり映えしない」 面白い。(尾も 白い)(白犬)。

1 / 0