ゆめどのさつじんじけん
初出:「改造」1934(昭和9)年1月号
書き出し
一、密室の孔雀明王——(前文略)違法とは存じましたけれども、貴方様がお越しになるまで、所轄署への報告を差控える事に致しました。と申しますのは、まことにそれが、現世では見ようにも見られない陀羅尼の奇蹟だからで御座います。ある金剛菩薩の歴然とした法身の痕跡を残して、高名な修法僧は無残にも裂き殺され、その側に尼僧の一人が、これもまた不思議な方法で絞り殺されているので御座います。そればかりではなく、現場に…
09dce898c847さんの感想
この人の作品は、死体をあたかも玩弄物としてしか見ていない作品が多いが、「夢殿」は「失楽園」と並ぶ凄まじさです