たまごとおつきさま
初出:「子供之友」婦人之友社、1924(大正13)年3月
書き出し
むかし、のはらの一けんやに、にはとりが一羽すんでゐました。そののはらのむかふには、ひくい、きれいな山が三つならんで立つてゐました。ある、月のいゝばんのこと、そのにはとりが、玉子を一つうみました。そのたまごに、丁度のぼつてきた月が、光りをさしかけましたので、たまごは、それは美くしくて、しんじゆのたまのやうに見えました。にはとりはうれしくてたまらないので、玉子ばかり見てゐました。けれども、そのうちに、…