青空文庫

「人魚謎お岩殺し」の感想

人魚謎お岩殺し

にんぎょのなぞおいわごろし

初出:「中央公論」1935(昭和10)年8月

書き出し

序消え失せた人魚今こそ、二三流の劇場を歩いているとはいえ、その昔、浅尾里虹の一座には、やはり小屋掛けの野天芝居時代があった。それでこそ、その名は私たちの耳に、なかなか親しみ深くでもあり、よしんばあの惨劇が起らなかったにしろ、どうしてどうして忘れ去れるものではなかった。と云うのは、その一座には、日本で一ヶ所と云ってもよい特殊な上演種目があった。それがほかならぬ、流血演劇だったのである。そこで、一つ二

2023/05/11

decc031a3fabさんの感想

芝居や劇団とがある種の人々を惹きつけるのは、身の上や身体的ハンディを問わない大らかさと、雑多な雰囲気があるからこそなんだろうな。この話は登場人物たちの秘められた過去と舞台裏の仕掛けが絡み合う。演目そのものより劇団員たちの話が実はキモであったというのが意外だったな。

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