じむし
初出:「新青年」1937(昭和12)年2月号
書き出し
一、紅い水母大都市は、海にむかって漏泄の道をひらいている。その大暗渠は、社会の穢粕と疲憊とを吸いこんでゆく。その汚水は、都市の秘密、腐敗、醜悪を湛えてまんまんと海に吐きだす。ところが、どんな都市でも、その切り口を跨いだあたりに奇異な街があるのだ。そこは、劃然と区切られた群島のようなもので、どこにも橋の影を落さぬ、水というものがない。影は影に接し、水はくらく、しかも海にちかく干満の度がはげしい。ぐる…
8eb05d040692さんの感想
結果誰も救われない。そんな気がします