青空文庫

「踊る地平線」の感想

踊る地平線

おどるちへいせん

03 黄と白の群像

03 きとしろのぐんぞう

譲次73

書き出し

アイチミュラ・羽左衛門『ミスタ・ウザエモン・イチムラ——有名な日本の俳優がここに泊っているはずですが、いまいらっしゃいましょうか?』あちこち動きまわっている番頭たちのなかから、やっとのことでひとりの注意を捉え得た私は、せいの高い帳場の台ごしに上半身を乗り出して、「有名な」に力を入れてどなるようにこう訊いた。相手の番頭というのは、縞ずぼんに黒の背広を着た、いかにも英吉利のホテルのクラアクらしい五十が

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