青空文庫

「幸徳秋水と僕」の感想

幸徳秋水と僕

こうとくしゅうすいとぼく

――反逆児の悩みを語る――

――はんぎゃくじのなやみをかたる――

初出:「朝日新聞」1933(昭和8)4月15~20日

木下尚江18

書き出し

一君よ。明治三十四年、僕が始めて社会党の創立に関係した時、安部磯雄、片山潜の二君は、年齢においても学識においても、長者として尊敬して居たが、親密な友情を有つて居たのは、幸徳秋水であつた。彼は僕より二つ年下であつた。幸徳を友人にしてくれたのは石川半山だ。僕がまだ二十代で、故郷で弁護士をして居た時、石川は土地の新聞主筆として招かれて来た。彼が好んで自分の師友の評判をする時、「幸徳秋水」の名前を頻りと吹

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