青空文庫

「橡の花」の感想

橡の花

とちのはな

初出:「青空」1925(大正14)年11月

内省孤絶病中苦悩社会疎外内省的憂鬱鬱屈

書き出し

一この頃の陰鬱な天候に弱らされていて手紙を書く気にもなれませんでした。以前京都にいた頃は毎年のようにこの季節に肋膜を悪くしたのですが、此方へ来てからはそんなことはなくなりました。一つは酒類を飲まなくなったせいかも知れません。然しやはり精神が不健康になります。感心なことを云うと云ってあなたは笑うかも知れませんが、学校へ行くのが実に億劫でした。電車に乗ります。電車は四十分かかるのです。気持が消極的にな

2024/04/23

19双之川喜41さんの感想

 往時 街道の 旅人は 箱根の山道を 登るのに 辛さのあまり 「橡(とち)の実ほどの 涙流れる」という  句があるけど 基次郎も 内に秘めた苦悩を 文を したためつつ やり過ごそうと 悪戦苦闘したようにも 想えた。基井は 妄想で 卑屈(ひくつ)に成ることもなく その後の 調和にこそ 安んじたいと 結ぶ。

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