青空文庫

「獄中への手紙」の感想

獄中への手紙

ごくちゅうへのてがみ

01 一九三四年(昭和九年)

01 せんきゅうひゃくさんじゅうよねん(しょうわきゅうねん)

回顧的孤絶家族不和政治的葛藤内省的憂鬱静謐

書き出し

十二月八日〔牛込区富久町一一二市ヶ谷刑務所の宮本顕治宛淀橋区上落合二ノ七四〇より(封書)〕第一信。(不許)[自注1]これは何と不思議な心持でしょう。ずっと前から手紙をかくときのことをいろいろ考えていたのに、いざ書くとなると、大変心が先に一杯になって、字を書くのが窮屈のような感じです。先ず、心からの挨拶を、改めて、ゆっくりと。——三日におめにかかれた時、自分で丈夫だと云っていらしったけれども、本当は

1 / 0