せかいかいだんめいさくしゅう
02 貸家
02 かしや
書き出し
一わたしの友達——著述家で哲学者である男が、ある日、冗談と真面目と半分まじりな調子で、わたしに話した。「われわれは最近思いもつかないことに出逢ったよ。ロンドンのまんなかに化け物屋敷を見つけたぜ」「ほんとうか。何が出る。……幽霊か」「さあ、たしかな返事はできないが、僕の知っているのはまずこれだけのことだ。六週間以前に、家内と僕とが二人連れで、家具付きのアパートメントをさがしに出て、ある閑静な町をとお…