青空文庫

「犬のはじまり」の感想

犬のはじまり

いぬのはじまり

初出:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

下町風土喪失と記憶回顧的懐古寂寥憂鬱

書き出し

私がやっと五つか六つの頃、林町の家にしろと云う一匹の犬が居た覚えがある。名が示す通り白い犬であったのだろうが、私のぼんやり記憶にのこって居る印象では、いつも体じゅうが薄ぐろくよごれて居たようだ。洗って毛なみを揃えてやる者などは勿論なかったに違いない。日露戦争前の何処となく気の荒い時代であったから、犬などを洗ったり何かして手入れするものだなどと思いもしない者の方が大多数をしめて居たのかもしれない。薄

2017/04/18

036ce3333072さんの感想

猫が苦手な理由に同感だった。陰性という表現に感心した。

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