青空文庫

「傾く日」の感想

傾く日

かたむくひ

初出:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房、1953(昭和28)年1月

孤絶家族不和恋愛観の相対化自己認識内省的寂寥憂鬱

書き出し

傾く日宮本百合子○十一月になり、自分の心には、林町とああ云う関係にあると云うことが、次第に苦しい意識となって来た。九月の二十九日の夜、母上が、当分会うまいと云われた時、随分自分は苦しく思い涙を流した。けれども、その心持は今とは異う。あの時、自分には、其那ことが如何にも詰らない、不合理なことに思えたのだ。直接の原因は、太陽に書いた小説が母上の感情を害したと云えるかもしれないが、左様な決心を彼女にさせ

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