序(『歌声よ、おこれ』)
じょ(『うたごえよ、おこれ』)
初出:「歌声よ、おこれ」解放社、1947(昭和22)年8月
宮本百合子約3分
作家の日常文学批評歴史的背景社会批評分析的回顧的希望
書き出し
こんにち、わたしたちの生活と文学との建設のために、いくつもの大きい課題があらわれて来ている。苦しく、いきどおろしい人間理性否定の暗黒がすぎて、明るい光のさしそめるときになったが、過去十数年の惨澹たる傷あとは、日本の知性の上から、そう急に消え去らない。日本の現代文学の苦痛は、こんなに急なテムポで世界の歴史は前進しているのに、戦争中萎縮させられた人間性とその創造力がそれにふさわしい強壮な恢復をおくらし…
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