青空文庫

「みごとな女」の感想

みごとな女

みごとなおんな

初出:「劇作」1934(昭和9)年11月

森本43
女性の内面家族不和日常の非日常叙情的憂鬱静謐

書き出し

人あさ子真紀収弘豪奢と言うのではない、足りととのった家庭。人形をかざったピアノが一つ、坐り机が一つ、縁先に籐椅子が二つ、卓。みるところ若い女の部屋らしい。六月。誰もいない。あさ子。二十四。和服。身体つきは大柄で少し肥っているが美しい。時々片手を上げて指先で両の眉を内から外へ撫でつける癖がある。話をさせても他人の調子には頓着なく、緩り句切って云うようなところがある。外出から帰ったところ。すこしの間部

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