青空文庫

「きのふけふの草花」の感想

きのふけふの草花

きのうきょうのくさばな

古典の翻案学問的考察民俗学回顧的学術的

書き出し

今年は気候不順でさきおくれた花が多く、又、秋開く花が初夏から盛りをるのもあるが、兎に角自分の家庭には石竹科の花がいと多く咲き乱れをる。その中で一番妙な伝説をもつのは眼皮だ。枕の草紙に、かにひ(異本にがむひ)の花とあるはこれらしいが、色は濃からねど藤の花にいとよくにて、春秋と二度さくいとをかしとは眼皮と違ふ。達磨大師九年面壁の時、眠くてならぬから自分で上下のまぶたを切つて捨てた処に翌朝この草がはえあ

1 / 0