青空文庫

「家庭と学生」の感想

家庭と学生

かていとがくせい

初出:「三田新聞」1941(昭和16)年5月25日号

家族不和教育・学習文明開化分析的憂鬱

書き出し

今日家庭というものを考える私たちの心持は、おのずから多面複雑だと思う。家庭は今日大事とされている。貯蓄のことも、生めよ、殖せよということも、モラル粛正も、専ら家庭内の実行にかけられている。昨夜の夕刊には、大蔵省の初の月給振替払いの日のことがのっていた。月給百五十円以上の人々は、現金としては半額しか入っていない月給袋をうけとった。すぐ振替えをとることが出来るのだそうだけれど、私たちは閃くような思いで

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