青空文庫

「『静かなる愛』と『諸国の天女』」の感想

『静かなる愛』と『諸国の天女』

『しずかなるあい』と『しょこくのてんにょ』

竹内てるよ氏と永瀬清子氏の詩集

たけうちてるよしとながせきよこしのししゅう

初出:「新女苑」1940(昭和15)年10月号

女性の内面文学批評病中苦悩貧困内省的分析的憂鬱

書き出し

貧困というものは、云ってみれば今日世界にみちている。病気というものも、その貧困ときりはなせない悲しいつながりをもって今日の世界にみちている。今日の社会感情のなかでは、貧しさと病とに対して闘っている人々の余りの多さのために、おどろきが失われて普通のことがらの一つでもあるかのようになってさえいる。沁々考えてみると、そういう共通な不幸に感じを鈍くさせられて生きている生活の条件の荒っぽさ、冷血さはおそろし

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