青空文庫

「こわれた鏡」の感想

こわれた鏡

こわれたかがみ

ジイド知性の喜劇

ジイドちせいのきげき

初出:「帝国大学新聞」1937(昭和12)年10月11日号

創作背景政治的葛藤文学批評分析的厳粛憂鬱

書き出し

ジイドが彼の近著『ソヴェト旅行記』に対して受けた非難に抗して書いている「ローランその他への反撃」という文章は(十月・中央公論)悪意を底にひそめた感情の鋭さや、その感情を彼によって使い古されている切札である知力や統計の力やによって強固にしようと努力している姿において彼のこれまで書いたどの文章よりも悲惨である。現代のように錯綜し緊張し、処々ではもう火をふき出している歴史の大摩擦の時期に当って、かつて或

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