青空文庫

「今度こそ」の感想

今度こそ

こんどこそ

下層階級の描写家族不和社会疎外悲劇鬱屈

書き出し

甲吉の野郎、斯う云うのだ。「何しろ俺には年とったおふくろもあるし、女房もあるし、餓鬼もあるし——」だからストライキには反対だと云うんだ。それから、あいつはそっと小声でつぶやく、「若え奴らのオダテに乗れるかい」スキャップにはスキャップの理窟があるもんだ。馘になったら困る。今の世の中に仕事を捜すだけでも大変なんだ。「俺ア厭だよ、おふくろや女房や餓鬼を飢えさせるなア、ごめん蒙りてえのさ」そこで俺は云って

1 / 0