じゅんじょうしょうきょくしゅう
03 拔
03 ばつ
書き出し
萩原朔太郎!少年時からの懷かしさで、今では兄のやうに思へる。氏と語る時には、常に寡默な輕い憂鬱さを知る。秀でた人のもつ善良の味だ。私は實にその偏奇な高潔さが好きだ。卓を挾んで拳鬪家のやうに語り合ふ事は、極めて尠い。が、語る!怒り、淋しい頽廢の怒り、閃く、自棄的な時、どこにも快活な、何物へも得意さと云ふものが現はれない日、病的な程堪へ難い日がある。また晴天の日、松林を走るやうな愉快な疳の高い日の氏は…
花守
虚構の春
ゼーロン