青空文庫

「災難雑考」の感想

災難雑考

さいなんざっこう

初出:「中央公論」1935(昭和10)年7月

寺田寅彦26
学問的考察社会疎外運命受容分析的厳粛懐古

書き出し

大垣の女学校の生徒が修学旅行で箱根へ来て一泊した翌朝、出発の間ぎわに監督の先生が記念の写真をとるというので、おおぜいの生徒が渓流に架したつり橋の上に並んだ。すると、つり橋がぐらぐら揺れだしたのに驚いて生徒が騒ぎ立てたので、振動がますますはげしくなり、そのためにつり橋の鋼索が断たれて、橋は生徒を載せたまま渓流に墜落し、無残にもおおぜいの死傷者を出したという記事が新聞に出た。これに対する世評も区々で、

2024/04/14

19双之川喜41さんの感想

 世上で 良く知られた あの言葉の 出典なのかと 勘違いして 読んで見たけど ある飛行機事故の 原因の調査の 過程が まるで 緻密な 探偵小説のように 展開されていた。災難の 負の意義は 不謹慎の そしりを 免れないに 決まっているので (雑考)とでも するしかなかったにせよ 冷静に 考えたくないこと についても 利害得失に 目を向けることの 大切さを 伝えていると 愚考した。

2020/01/05

b70976bc4e18さんの感想

実際の事故を引き合いに科学的な防災アプローチの重要性を説くとともに、天災と人災の内、一見不可抗的に見える天災よりも実は人災の方が不可抗的なものであると指摘する。また、「災難の進化論的意義」や「優生学的災難観」に話が及び、「科学的防災可能論への懐疑」の姿勢を示して終わる。これと言う結論のない、確かに雑考には違いないがいかにも寺田寅彦的な洞察に満ちた随筆である。

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